もこ、もこもこもこ
冬のいこいの家や広場、草がなくなってすっきりした地面に、小さな土の山ができています。
よく見ると、ちょっと離れた所にも。そのまた向こうにも。
誰かが土を掘って遊んだのかな?
と思って地面を触ってみるのですが、カチカチで簡単には掘れそうにないことに気付きます。
でも、小さな山と山の間には、ちょっとだけ盛り上がった道のような所があって、そこは少しだけ柔らかい。
実はその下には、トンネルが通っています。
トンネルを掘って山を作ったのは、そうモグラ。
日本には8種類のモグラがいて、私達の身近にいるのはアズマモグラという種類です。
地面の下で暮らすモグラは穴を掘ってミミズやコガネムシの幼虫などの虫を食べます。
時々勘違いされますが、畑の野菜を食べることはありません。肉食です。
土の山は食べ物を探したり、巣穴を広げたりする際に出てきたりした土を外に押し出したもの。
この土の山を「モグラ塚」といいます。
冬のこの時期、地面が凍るくらい寒くてもモグラ塚はできています。
モグラは冬眠しないのでしょうか?
実は、モグラは体脂肪がほとんどなく、体にエネルギーを蓄えることができません。
一日に体重の半分ミミズを食べるとか、12時間空腹が続くと死ぬと言われるほどです。
そんな体ですから、秋に食い溜めをして冬を乗り切るということができないのでしょう。
でも、冬にモグラの食べ物となる生き物はいるのでしょうか。
モグラ塚などの痕跡は地表に現れますが、モグラが住んでいるのは地下世界。
エサとなる生き物の多い地下30cm程度の場所をよく利用します。
その深さ、あるいはもっと深くだと冬は外気温より地温の方が高く、風や昼夜の寒暖差の影響も受けません。
だから、ミミズなどの生き物も活動していますし、
越冬するために地中に潜っている生き物もいるので、食べ物には困りません。
そんなモグラたち、地上に出てくることはまずないので姿を見る機会はまずありません。
でも、モグラの姿を見てみたいですよね?そんな時は動物園の力を借りましょう。
青梅からも近い多摩動物公園には、「モグラのいえ」という展示施設があります。
ログハウス調の建物の中は、壁や天井にパイプが張り巡らされており、
なんとその中を移動するモグラを見ることができるのです。
垂直のトンネルを上り下りしたり、バックで移動したりする姿も見られるのでとても面白い。
残念ながら今は動物園が休園中ですが、再開したら是非足を運んでみて。
下草の少ない冬だから目立つモグラの通り道。
今度出会ったら、地下世界を想像してみてくだだいね。
さかでぃ
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【さかでぃ:プロフィール】
自然や環境のメッセージを人に伝えるインタープリター。
幼少期は虫捕り少年。
大学で水産学や動物生態学を学ぶ中で
科学コミュニケーションに興味を持ち、環境教育の道へ。
現在は、一児の父としてかぷかぷに参加中。
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