秋の代表的な昆虫といえばカマキリではないでしょうか。
他の昆虫にはない大きなカマ、それを使って他の昆虫を捕まえて食べる力強さが魅力。
最近では、某カマキリ先生の活躍もあって人気が高まっている気がします。
私たちの身近で見られるカマキリは7種類。
ほとんどが草むらや畑、人家周辺にも住んでいるので、かぷかぷでも出会いやすい。
そんなカマキリでも代表種は、一番大きなオオカマキリ。
最大で10cm近くなります。
バッタやチョウはもちろん、時にはトカゲや小さなカエルすら食べてしまうことも。
そういえば、かぷかぷの畑など、
一度カマキリに出会った場所ではまた次に行ったときに出会えた経験がありませんか?
実は、オオカマキリは一度自分の狩場が決まるとあまり移動しないので、大体同じ場所で見られます。
他の虫が集まる花が咲く植物の近くなどに陣取り、待ち伏せしてやってくる獲物を捕らえます。
だから、あまり動く必要がないのです。
成虫は羽が生えていて飛ぶこともできますが、体が大きいこともあって飛ぶのはあまり上手ではなく、
羽はどちらかというとより大きな生き物に襲われそうになった時の威嚇のために使うことが多いです。
身をよじり、羽を広げてぐっとカマを構える姿はなかなかの迫力です。
捕まえる時は頭の後ろの首のような部分を持ちますが、
カマキリは柔軟なので身をひねったりカマを体の後ろに回したりして、カマで挟んできます。
若干痛いので、小さいお子さんはびっくりして泣いちゃうかも。
この秋の活動でもオオカマキリは何度か登場してくれましたが、
冬の足音が聞こえてきているこの頃、そろそろカマキリも見られなくなります。
カマキリの成虫は冬を越せません。
でも、代わりに茶色い卵の塊(卵鞘(らんしょう)といいます)が
木やフェンスに産みつけられ、その姿で春を待ちます。
卵鞘は固いスポンジのようで、中に数百個の卵が入っています。
無事冬を越えた卵は翌年の春に一斉に孵化して、小さなカマキリが出てくるのです。
子供の頃、卵を見つけると家に持ち帰って一斉に出てくる子カマキリを観察したものです。
さて、卵を生む前には交尾という行動があるわけですが、
カマキリの交尾といえばメスがオスを食べてしまうというのが有名です。
しかし、実際はオスはいつも食べられるわけではありません。
交尾を終えた後、また別のメスと交尾できるオスもいます。
でも、食べられたオスはそのまま卵の栄養になるという研究結果もあり、
やはりそれはそれで必要な犠牲のようです。
さて、晩秋に頑張るカマキリたちはまだ見られるでしょうか、
それとも来春への希望が込められた卵に出会えるでしょうか。
さかでぃ
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【さかでぃ:プロフィール】
自然や環境のメッセージを人に伝えるインタープリター。
幼少期は虫捕り少年。
大学で水産学や動物生態学を学ぶ中で
科学コミュニケーションに興味を持ち、環境教育の道へ。
現在は、一児の父としてかぷかぷに参加中。
(次回は、12月15日に更新予定です。おたのしみに!)
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