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第4歩:ホコリタケ

ぽこぽこ、にょきにょき。

雨上がりの森には地面からたくさんのキノコが生えています。

こんな森や草地で見られるキノコ

赤いキノコ、白いキノコ、茶色いキノコ、色はさまざま。

形も普通の傘の形はもちろん、まんまるや平べったいもの、糸のように細長いものも。

今回、紹介するのはそんなキノコの一つ。


つい手に取りたくなってしまうかわいらしさ

大きさはマッシュルームくらい、色はくすんだ白から薄い茶色で地味な感じ。

形はぷっくり丸くて、細かいぶつぶつが全体にあり、時々真ん中にへそのような穴が空いている。

白っぽくて穴がないものは触ってみると、ぷにぷにと弾力があって固めのマシュマロみたいな感じ。

でも、茶色っぽくなってへそみたいな穴ができたものを触ってみると――、


ぽふっ

キノコがぺこんと凹んで、中から茶色い煙が飛び出します。


ぽふっ、ぽふっ、ぽふぅ

楽しくなってつい何回もツンツンしてみたくなります。


「さわっていい?」「いいよー」

この煙は胞子。昔の人はこれを埃が舞う様子に見立てて、このキノコを「ホコリタケ」と名付けました。

胞子はキノコにとっては種のようなもの。

胞子が飛んでいった先で新たに菌糸が伸びて、いずれキノコができます。

みんながよく知っているキノコは傘のような形をしていて、

傘の裏側のヒダヒダから胞子を落とし、風や雨水の流れに乗せて遠くへ行きます。


面白くて何度もつついてしまう

それに対して、成熟したホコリタケは中が袋のようになっています。

外からの刺激で袋が凹むと、その中に溜まった胞子が空気とともに舞い上がるしかけです。

さすがに深い森の中にはつついてくれる人間たちはいませんが、

代わりに動物が踏んづけたり、大きな雨粒が落ちてきたりした時に、胞子を舞い上げることができます。

しばらく森を漂い、ちょうど良い土の地面に落ちた胞子はまた成長していきます。


みんなのツンツンにホコリタケは、「しめしめうまくいったわい」と思っているのかな。

でも、森から探し出して、その戦略にのっかってあげましょうか。


さかでぃ

「さかでぃの森のむしめがね」インスタグラムを始めました!


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自然や環境のメッセージを人に伝えるインタープリター。

幼少期は虫捕り少年。

大学で水産学や動物生態学を学ぶ中で

科学コミュニケーションに興味を持ち、環境教育の道へ。

現在は、一児の父としてかぷかぷに参加中。


(次回は、10月30日(土)に更新予定です。おたのしみに!)

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