しっとりした森の中、暑さを忘れて遊んでいた時、
ふと視界の隅にうごめく物が目に入る。
近寄ってみると、オレンジと緑の毒々しい巨大なミミズのような生き物。
直感的に、「ヤバイ」と感じる姿をしている。
シュルシュル―― そいつが突然すばやく動き出した。
何かを求めているように一心不乱といった様子で。
その先にいたのはミミズ、土から迷いでてしまったのだろうか、
地表をうねうねと動いている。
そこに先程の毒々しい生き物がやってきた――
と、思った瞬間にはミミズに吸い付いていた。
ここに来て慌ててのたうち回るミミズ。
食われると悟ったのか、毒々しい生き物から必死に逃げようとしている。
だけど、吸い付いた生き物は逃さない。徐々にミミズを丸呑みしていく――
7月の活動中、ある森で出会ったこの生き物、名前をクガビルといいます。
動物の血を吸うヒル(ヤマビル)の仲間ですが、クガビルはミミズを専門に食べるグループ。
出会ったのはおそらくヤツワクガビルというクガビルの中でも大型種で、
大きいものでは30cm程になります。
見た目は毒々しいですが、人間に害はありません。
雨上がり道路に出てきて干からびているミミズを見ると、
ミミズの生きる事に対する能力を疑ってしまいますが、
クガビルに遭遇して必死に逃げようとするミミズを見ると、
ああミミズでも生きることに対する執着心があるんだなと考えさせられます。
クガビルはしっかり木々に囲まれた森の中に住むので、
かぷかぷの活動で出会える場所は限られてしまいますが、
運良く出会えたら、勇気を出して、じっくり観察してみてはいかが?
さかでぃ
-------- 自然や環境のメッセージを人に伝えるインタープリター。
幼少期は虫捕り少年。
大学で水産学や動物生態学を学ぶ中で
科学コミュニケーションに興味を持ち、環境教育の道へ。
現在は、一児の父としてかぷかぷに参加中。
(次回は、9月30日(金)に更新予定です。おたのしみに!)
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